マレーシアの介護施設（老人ホーム）は日本とどこが違うのでしょうか。マレーシア移住する場合、介護施設に入る選択肢もありだと思います。
なぜならマレーシアの老人ホームは日本と比べて料金が割安だからです。そして料金だけでなくほかの面でもおすすめできるポイントがいくつかあります。
私は実母が日本の介護施設でお世話になり、マレーシアの介護施設では義父がお世話になっています。その経験から間近で感じたマレーシアと日本の介護施設の違いをシェアしています。
日本とマレーシアの介護施設は物価が違うので費用や、環境に大きな違いはあります。
しかし私が一番感じるのは雰囲気の違いです。
この記事では実際にマレーシアと日本の介護施設を見てすごく感じる、内面の違いをいろいろ書いています。
日本以外の介護施設を知ることで、老後の生活の選択肢の幅が広がります。
介護施設を探している人だけでなく、介護士さんや介護関係者の方にも是非読んで頂きたいです。
介護施設の種類の違い
日本とマレーシアの介護施設の種類についてご紹介します。特に日本の介護施設は介護度によって細かく分かれているので、実際に介護施設に入る状況にならないとよく分からないというのが現状です。
一方マレーシアは公的と民間の2種類でとても分かりやすいです。
日本の介護施設の種類
日本には介護度というのがあり、これは独特の制度でこの介護度で受け入れてくれる施設が変わります。
公的介護施設：特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、経費老人ホーム、ケアハウス
民間介護施設：介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者住宅、健康型有料老人ホーム
このように細かく分かれていて、どこに入れるのかどこが適しているのかよく分からず大変困りました。日本で介護施設を探す場合は病院や役所にいる専門の方に相談するのが一番のようです。
マレーシアの介護施設の種類
一方マレーシアの介護施設は簡単で公的介護施設と民間介護施設の2種類です。
公的介護施設は日本のように介護度や、家族状況を考慮して入るということはあまりなく、同居している家族の収入で入れるかどうか決まります。
公的介護施設はそれほど多くなく、一般的には民間介護施設に入る人がほとんどです。
マレーシアの介護施設はほとんどが口コミや自分の行動範囲で探します。日本のような介護施設検索サイトのようなサービスはありません。
介護施設の費用の違い
介護施設の費用の違いは日本とマレーシアで大きく変わってきます。
日本の介護施設は公的介護施設でも月額費用として20万円ほどかかります。民間介護施設では入居時に一時金として数千万円必要なところもあり驚きます。
マレーシアの場合入居一時金というのはありません。
入るときにデポジット（保証金）として1か月分を払うところがほとんどです。このデポジットは退去時に戻ってきます。
月額費用は民間介護施設でもRM1,500（約4万2千円）ほどから入れます。
ただ一軒家で家庭的な雰囲気の介護施設だとやはり7万円～12万円ぐらいは必要になります。
介護施設の費用は断然マレーシアの方が安いですね。
最近は日本の企業が日本型の有料介護施設をマレーシアで始めています。
日本型介護施設：https://www.tlcare.com.my/
また日本円約35億円をかけて超高級リタイヤメントホーム（健康型有料老人ホーム）Penang Retirement Resortがペナン島で建設されました。こちらはまもなくオープン予定です。
https://www.myprr.com.my/
このような施設になるとマレーシアでも費用が高くなりますが、それでも日本のような一時金は必要ありません。
Penang Retirement Resortについて最新情報をお届けしていきます。興味のある方はお問い合わせからご連絡ください！
ただし海外に長期間住もうと思うと必然的にビザが必要になります。介護施設に入るにもビザの問題があります。
マレーシアで長期滞在するためのビザにはMM2Hがあります。
MM2Hビザなら5年間住むことができ、5年後は更新できます。
ただし、最近は条件が厳しくなり、取得が難しくなってしまいました。
まずは観光ビザで3ヶ月ほど施設を試してみることからおすすめします。
介護施設に外国人採用
日本の介護施設はあきらかに人手不足です。
介護施設の求人情報はあちこちで見かけますが、それでも求人が集まらず部屋は空いているのにスタッフが足りないから受け入れらないという介護施設も少なくありません。
そんな介護施設の求人が、どんどん海外に向けられるようになりました。
2017年9月から「介護ビザ」が運用されています。このビザは外国人の方が介護福祉士として日本で働くことのできるビザです。
しかしこのビザを取るためには日本の専門学校に入り介護福祉士の資格を取得しないといけません。外国人の方には日本語という高いハードルがあり、なかなか人手不足を補うことはできません。
それが2017年11月1日に外国人技能実習制度に介護職が追加されました。これにより介護施設で働きたい外国人は「技能実習ビザ」を取って働くことができるようになりました。
日本の資格がなくても介護施設で働くことができる、このビザのおかげで介護施設の求人も日本だけでなく、海外に向けられるようになったのです。
マレーシアの介護施設は看護師さんが経営しているところも多くあります。ただ経営者がいつもいるわけではなく、資格のないスタッフや安い介護施設に行くとお手伝いさんとして雇われた外国人労働者の方だけがいるところもありました。
介護施設は日本もマレーシアも人手不足のようですね。
介護施設の環境や雰囲気の違い
日本とマレーシアの介護施設の環境面は大きく違います。
現在の状況で環境だけいえばマレーシアの介護施設の環境は日本人にとって信じられないと感じるかもしれません。
マレーシアの介護施設の主流となっているのは一軒家を介護施設にするタイプです。部屋数が少ないので個室を設けているところは多くなく、ほとんどが一部屋に複数のベットを並べた大部屋タイプ。料金が安いところだとリビングエリアにもベットが並んでいます。
介護用のバスタブやトイレがあるわけではなく、バリアフリーでないところがほとんどです。
これだけ聞くと「え～っ、マレーシアの介護施設は入りたくない！」と思うかもしれませんが、私はマレーシアの介護施設の方が居心地良さそうと感じます。
理由は雰囲気の違いです！
日本の介護施設は清潔で綺麗で環境は抜群です。でも個人の感想ですが、なんとなく人間味が感じられないのです。
母の介護で感じた日本の雰囲気はこちらの記事で書いています。
【マレーシアから遠距離介護】国際結婚、海外移住前に考える親の介護
もちろんすごい高級な介護施設なら違うのかもしれませんが、私の知っているところは人手不足からか、規則が多すぎるからか理由はよく分かりませんが温かみを感じることができません。
介護士さんやスタッフの方はプロとしてテキパキと仕事をこなされてすごいと思います。でも大変だなぁと気の毒に感じてしまいます。それがマレーシアの人は入居者の人と一緒になって楽しんでいるように見えるのです。
寝るまで入居者の人のベットの横に座ってみんなで一緒に談笑したり、外出する人に向かって「何か美味しい物買ってきてね～」とおねだりしたり、気楽に接します。
入居者の人もとてもリラックスしてゆったり毎日過ごしているように見えます。
好みはあると思いますが、毎日生活するなら私は気楽な方がいいなと思います。
とくにペナン島に新しくできるPenang Retirement Resortなら年配者の方はコンドミニアムを借りるより安心して生活できそうです。
日本の介護施設の変化
実際介護施設を運営されている人から聞いた話ですが、日本の介護施設も海外の影響を受け始めているようです。
これは外国人の求人を受け入れ始めての変化だそうですが、介護施設で外国人の人が働き始めたところ入居者が元気になったというのです。
それは日本語の不自由な外国人のスタッフが外国人特有の明るさで入居者の方と接することで、入居者が「助けてあげたい」と思うようになるそうです。
老人になって体や頭がおもうようにいう事を聞いてくれなくなると寂しくて弱気になってしまいます。ましてや介護施設に入って人のお世話になっているのですからますます気が弱くなってしまいますよね。
人は誰かから頼りにされると嬉しく、頑張ろうという気になることが多いです。毎日接する中で外国人の人に日本語を教えてあげたり、日本の習慣を教えてあげたりできることは入居者の方にとって張り合いがでるようなのです。
それまで自分でお茶を入れられなかった人が、外国人の人が来てから元気を取り戻して自分でお茶を入れるようになったいうお話もありました。
そして外国人の人がそうやって上手く入居者に甘える姿や、自然に接する姿を見て最初違和感を感じていた日本人のスタッフも、入居者の変化を目の当たりにし接し方が変わってきたとおっしゃっていました。
【マレーシアの介護施設】日本と環境も費用も違うけどゆるい雰囲気でリラックス！まとめ
日本の介護施設は綺麗で素晴らしい、介護士さんやスタッフのプロ意識も素晴らしい。
間違いなく日本の介護施設は世界トップレベルだと思いますし、これは日本の国全体にもいえることだと思います。
先進国で多くの人が憧れる日本、綺麗で食べ物の美味しい日本に旅行に行くのはとても楽しいです。
だけどそこに長く住んでみるとなんとなく居心地がよくないなぁと感じてしまう外国人の人が多いのも現実です。
ルールがしっかりできていて、常に周りに気を遣う日本と違い、マレーシアはいい意味でも悪い意味でもゆるいんです。そのゆるさが長く住む人は気が楽で、介護施設として入居者や働く人にとって居心地よく感じるのかもしれませんね。
マレーシアの生活についてはこちらの記事でご紹介しています。
