ペナン植物園の朝散歩|花の枝で遊ぶ子ザルに足が止まった話

ペナン ボタニカルガーデン

※本サイトにはプロモーションが含まれているページがあります。

ある日の朝、私は植物園の遊歩道で足を止めました。

見上げた枝の上に、手のひらに乗りそうなほど小さな子ザルがいたからです。

赤と黄色の大きな花を両手でつかんでは、そっと離す。ただそれだけの動きを、飽きもせずくり返していました。

1995年からペナン島に住んでいますが、こんなに近くでサルの子どもを眺めたのは久しぶりです。

この記事では、その朝の出来事をそのままお伝えします。あわせて、次の3つもご紹介します。

  • ペナン植物園でサルに出会える朝の時間帯
  • 野生のサルと出会ったときの、正しいふるまい方
  • 訪れる前に知っておきたい植物園の基本情報

朝の植物園は、たくさんのサルに出会える

ペナン植物園(Penang Botanic Gardens)は、ジョージタウンの街なかから車で行ける自然公園です。

入口には「PENANG BOTANIC GARDENS/TAMAN BOTANI PULAU PINANG」と刻まれた大きなサインが立っています。

地元の人にとっては、朝のウォーキングコース。旅行者にとっては、街歩きの合間に緑で涼める場所です。

そして朝の園内には、もうひとつの主役がいます。

野生のサルたちです。

入口のサインをくぐると、空気が変わる

サインの向こうには芝生が広がり、そのすぐ奥に深い緑の山が迫っています。

街からほんの少し離れただけなのに、空気がひんやりと変わります。

車の音が消えて、代わりに鳥の声と葉ずれの音が耳に入ってきます。

足元には白い小さな花の植え込み。

見上げれば、雲ひとつない青空。

朝のこの時間帯が、ペナン島でいちばん過ごしやすい時間だと私は思っています。

日中は日差しが強く、じっとしていても汗がにじみます。

だからこそ、朝の植物園には特別な心地よさがあります。

歩道に座り込むサルの家族に出くわす

ペナン ボタニカルガーデン

歩きはじめてまもなく、遊歩道の真ん中にサルたちが座っていました。

1匹ではありません。大人が数匹、身を寄せ合っています。

1匹が別の1匹の背中を、ていねいに毛づくろいしていました。

その足元には、子どもを抱えた母ザルの姿もあります。

おなかにしがみつく小さな体が、毛のあいだからのぞいていました。

驚いたのは、彼らがまったく動じないことです。

私が近づいても逃げません。かといって、寄ってくるわけでもありません。

人がいるのが当たり前。

そんな顔で、朝の日なたに座っていました。

ペナン ボタニカルガーデン

もう少し進むと、今度は3匹が歩道に一列に並んで座っていました。

いちばん手前は、おなかの大きな母ザルです。

長いしっぽを歩道の外まで伸ばして、のんびりと日を浴びていました。

私は歩道の反対側をゆっくり歩いて、そのまま通り過ぎました。

彼らは顔を上げただけで、何事もありません。

花の咲く枝で遊ぶ子ザルに、足が止まった

その朝いちばんの光景は、このあとにやってきました。

見上げた先の枝に、小さな影がひとつ

ペナン ボタニカルガーデン

木陰に入ったとき、頭の上でカサリと枝が揺れました。

見上げると、細い枝が何本も絡み合った先に、小さな影が座っています。

子ザルでした。

大人の半分もない体。それでも足の指はしっかり枝をつかみ、長いしっぽが下に垂れています。

その枝には、赤と黄色の大ぶりな花が咲いていました。

花びらの内側に、白いブラシのような部分がついた変わった形の花です。

ペナン植物園には珍しい木がたくさんあります。

この木の名前は、残念ながら私にはわかりません。

花をつかんでは離す、その手つき

 

ペナン ボタニカルガーデン

子ザルは、その花に夢中でした。

まず、細い枝の先へ手を伸ばします。届かないと、体を傾けてもう少し前に出ます。

花をつかむと、自分のほうへ引き寄せます。顔を近づけて、じっと見つめる。

においを嗅いでいるようにも見えました。

そして、パッと手を離す。

枝がしなって戻ると、また同じことをくり返します。

ペナン ボタニカルガーデン サル

食べるわけでもなく、持ち去るわけでもありません。ただ、その花が気になって仕方がないという様子でした。

指の動きが、驚くほど人間の子どもに似ています。

親指と他の指で、器用に花の付け根をつまんでいました。

しばらく、ただ立って見ていた

ペナン ボタニカルガーデン サル

気がつくと、私はかなりの時間そこに立っていました。

スマホを構えては撮り、また構えては撮る。

同じような写真ばかりが、どんどん増えていきます。

30年以上この島に住んでいると、サルは正直めずらしくありません。

道路脇にも、家の周りにもいます。

ゴミをあさる姿を見て、顔をしかめたことも何度もあります。

それでも、この朝は違いました。

誰にも見られていないつもりの子どもが、ひとりで遊んでいる。

その無防備さに、こちらの気持ちがすっかりほどけてしまったのです。

結局、子ザルは花に飽きると、枝を伝ってするりと木の奥へ消えていきました。

かわいいけれど、野生です

ここからは、少し現実的な話をさせてください。

あれだけかわいい子ザルでも、彼らは野生動物です。

距離を間違えると、けがや荷物の被害につながります。

長年住んでいる私が、実際に気をつけていることをお伝えします。

やってはいけない3つのこと

  • 食べ物を見せない、手に持って歩かない
  • 目をじっと見つめながら近づかない(威嚇と受け取られる)
  • 触ろうとしない、えさをやらない

特に注意したいのが、えさやりです。

人から食べ物がもらえると学習したサルは、次の人に自分から要求するようになります。

また園内にも、食べ物を与えないでという看板が出ています。罰金が課せられることもあります。

その一回が、あとから来る誰かを危険にさらします。

かわいいからこそ、あげてはいけません。

バッグとレジ袋に要注意

要注意:サルは「袋=食べ物」と覚えています。

コンビニのレジ袋を提げて歩くのは、園内では避けたほうが安心です。

手に持った袋を目がけて、飛びついてくることがあります。

リュックやトートバッグも、口を開けたままにしないでください。

ペットボトルやお菓子が見えていると、それだけで狙われます。

私は園内を歩くとき、荷物は必ず閉めて、体の前に抱えるようにしています。

子ザルがいるときは、必ず親が近くにいる

そして、いちばん気をつけてほしいのがこの場面です。

子ザルは無邪気で、つい近づきたくなります。

ところが、その周りには必ず親ザルがいます。姿が見えなくても、必ずどこかで見ています。

子どもに近づく人間は、親にとって脅威でしかありません。

距離を詰めた瞬間に、警戒の声を上げられることもあります。

私があの子ザルを見ていたときも、少し離れた枝の上に大人のサルがいました。

だから、写真はすべて離れた場所から撮っています。

見るのは自由。でも、近づくのはやめる。この線引きさえ守れば、サルとの朝はとても穏やかなものになります。

サルに会いやすい朝散歩の歩き方

せっかく訪れるなら、サルに会える確率を上げたいところです。

ここでは、私がよくサルと出くわす時間帯と持ち物をご紹介します。

おすすめの時間帯

結論から言うと、朝の早い時間がおすすめです。

理由は3つあります。まず、涼しくて歩きやすいこと。次に、人が少なく静かなこと。

そして、サルたちが活発に動いている時間だからです。

日が高くなると、ペナン島の暑さは本格的になります。

汗だくで歩くより、朝の澄んだ空気の中を歩くほうがずっと快適です。

地元の人も、朝はウォーキングやジョギングで園内を使っています。

その流れに混ざって歩くのが、いちばん自然な楽しみ方だと思います。

服装と持ち物

項目 内容
歩きやすいスニーカー。園内は坂道もある
服装 通気性のよい長め丈。日差しよけの帽子もあると安心
飲み物 水は必須。ただしサルの前で出し入れしない
あると便利 虫よけ、汗ふきタオル
避けたいもの 手に提げるレジ袋、口の開いたバッグ、露出した食べ物

持ち物のポイントは、とにかく「食べ物を見せない」の一点に尽きます。

この準備だけで、園内の安心感がまったく変わります。

ペナン植物園の基本情報

訪問前に確認しておきたい情報をまとめます。

項目 内容
名称 ペナン植物園(Penang Botanic Gardens/Taman Botani Pulau Pinang)
所在地 ペナン島ジョージタウン近郊 ※詳細は要確認
開園時間 7:00~19:00
入園料 無料
所要時間 散歩中心なら1〜2時間程度が目安
アクセス ジョージタウン中心部から車で約20分(渋滞状況で変わる)

ただし、公共施設の運用は変わることがあります。開園時間などは最新の情報をご確認ください。

サルに会いやすい場所

私が今回サルに出会ったのは、入口から歩きはじめてすぐの遊歩道沿いでした。

芝生と木立の境目、そして木陰の枝の上。

この2か所は、意識して見上げてみる価値があります。

ただし、野生動物ですから確実ではありません。

会えたらラッキー。そのくらいの気持ちで歩くのが、いちばん楽しめます。

訪れる前の心づもり

ペナン植物園は、動物園ではありません。

柵もガラスもなく、サルたちは自分の意思でそこにいます。

だからこそ、こちらが距離を守る必要があります。

その約束さえ守れば、彼らは驚くほど自然な姿を見せてくれます。

今回の子ザルが、まさにそうでした。

まとめ

にいなライフ

ペナン植物園の朝は、静かで涼しく、そしてサルたちの時間です。

花の枝で遊ぶ子ザルに出会えたあの朝のことを、私はしばらく忘れられないと思います。

特別な道具も、特別な予約もいりません。

ただ早起きして、歩いただけです。

大切なのは、たったひとつ。

食べ物を見せず、近づかず、離れた場所から眺めること。

この距離を守るだけで、野生動物はこちらを警戒しません。

皆さんもぜひ、朝のペナン植物園を歩いてみてください。思いがけない出会いが、旅の一日を明るくしてくれます。

ペナン島のほかの楽しみ方はペナン島の記事、島での暮らしぶりはペナンは退屈かという記事でもご紹介しています。

動物との暮らしに興味のある方は、ペットの記事もあわせてご覧ください。

園内で地元の方とすれ違うと、「Good morning」と声をかけられることがあります。

その一言に笑顔で返せると、朝の散歩はもっと気持ちのよいものになります。英語学習の記事が、その小さな一歩を後押しします。

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